レッスン1:Qubit って何?

量子コンピュータの最小単位 Qubit(量子ビット)を、コインの例えとインタラクティブな可視化で理解する

Qubit って何?

ふつうのビットとの違い

私たちがふだん使っているコンピュータは、すべての情報を 0 か 1 のどちらか で表しています。 これを ビット(bit) といいます。たとえばコインを投げて、表が出たら 0、裏が出たら 1 と決めてみましょう。

  • 表だけ見えるコイン … ビットは 01 のどちらか だけ
  • 回っているコイン … 量子ビット(Qubit)は 01 が同時に混ざった状態 になれる

量子コンピュータの最小単位 Qubit(キュービット) は、この「回っているコイン」のような存在です。 |0⟩|1⟩重ね合わせ を表すことができます。

重ね合わせを数式で(ちょっとだけ)

Qubit の状態は次の式で書けます:

\[|\psi\rangle = \alpha |0\rangle + \beta |1\rangle\]

\(\alpha\)\(\beta\) は「どれくらい混ざっているか」を表す数です。

  • \(\alpha = 1, \beta = 0\) → 完全に |0⟩(表)
  • \(\alpha = 0, \beta = 1\) → 完全に |1⟩(裏)
  • \(\alpha = \beta = 1/\sqrt{2}\)表と裏が 50%:50% の「回っているコイン」

ブラウザ上で実際に試してみましょう。下のスライダーで状態を変えると、ブロッホ球(Qubit の状態を球面上の点で表したもの)と、測定される確率がリアルタイムに変わります。

ブロッホ球で見る Qubit

Tip

見てみよう - スライダーを にすると |0⟩(表)、180° にすると |1⟩(裏)です。 - 真ん中(90°)が「半分表・半分裏」の回っているコインの状態。このとき測定すると 表と裏が 50%:50% の確率で出ます。

測定すると、どちらかに決まる

Qubit の状態は、測定するまで決まっていません。測定した瞬間、コインは「表」か「裏」かに崩壊(コラプス)します。 ボタンを押して、実際に 20 回「コインを投げて」みましょう。

Note

毎回結果は少しずつ違いますが、何度も繰り返すと表と裏の回数はほぼ同じ(50%:50%)に近づきます。これが「重ね合わせ → 測定で確率に化ける」という Qubit の不思議な性質です。

まとめ

項目 ビット Qubit
表す情報 01 のどちらか 01重ね合わせ
例え 止まっているコイン 回っているコイン
測定すると すでに決まっている その瞬間に 01 に決まる

Qubit の「重ね合わせ」は量子コンピュータが強い理由の第一歩です。次のレッスンでは、この重ね合わせを作る方法(アダマールゲート)を学びましょう。